失敗しない遺産分割のコツ
遺産分割は、原則としてやり直しができない。遺産分割から数年経って後悔している人もいる。失敗しないための遺産分割のコツを確認する。
配偶者の今後の生活が成り立つか?
遺産分割でもっとも大切なことは、配偶者の今後の生活。今後の生活が成り立つかどうかがもっとも大切な問題。配偶者としては、自分たちの財産だと思っている。配偶者の取得する財産が法定相続分までの場合には、不満を持つこともある。
不動産の共有は避ける
売却して金銭で分ける場合を除き、不動産を兄弟で共有することは避ける。配偶者と子ならOK
物件ごとの収支見て
収益物件は、物件な単純評価だけでなく、建物ごとの収支も計算し、取得者を決める。
はんこ代の相場は?
はんこ代とは、相続人の中の1人がほとんどの財産を取得する代わりに他の相続人に金銭(代償金)を支払い、遺産分割協議書を作成すること。金額は、財産規模や相続人同士の関係により数万円から数億円になることもある。
代償分割を使う
遺産が自宅と預金の場合に、自宅の価値が高く、自宅を取得した人が法定相続分を大きく上回ることがある。代償金で調整したいが、手元に現預金がないこともある。その場合には、銀行から借入れて払うこともできる。銀行は、担保と返済能力さえあれば貸してくれる。
遺産分割はやり直せない
相続税の申告後、やり直すと贈与になる。申告期限前ならやり直しも可能。また、相続税がかからないなら相続後間もなくならやり直しも可能。
遺産分割でもめそうな場合
遺産分割協議の進め方
1.税理士・司法書士・行政書士・弁護士などの専門家と相談する
2.中心になっている相続人は、他の相続人全員から話を聞く(相続人だけで話し合う)
3.スムーズな場合には、遺産分割協議の場で話を聞く
4.問題がる場合には、専門家に話を聞いてもらう
同居の相続人の注意点
1.財産を隠さない。預金の履歴や相続税の税務調査から過去のことが分かってしまう。
2.「放棄しろ!」はダメ。言われた他の相続人は、弁護士等の専門家や家庭裁判所に相談に行く。その結果、遺産分割は、法定相続分になってしまう。
3.「分けてやる」ではなく「譲ってもらう」という意識を持つ。同居の大変さは、他の相続人も少しは理解している。実際に、法定相続分から譲歩してもらっていることが多い。
別居の相続人の注意点
同居の大変さを理解しよう。家を守っていくことの大変さ、介護で旅行にも行けないこともある。これまで親の面倒を看てくれたことへの感謝の気持ちで接することが大切。法定相続分のことは、同居の相続人はもよく分かっている。
相続税がかかる場合に考慮すべきこと
・納税を考慮する
・1つの大きな土地で配偶者と子が分けて取得することで、相続税の評価が安くならないか?
・2次相続の相続税も考慮して、トータルで安くする
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